アワードレッドカーペットのタイ没着用問題:伝統の終焉か、それとも新しいフォーマルスタイルの誕生か?

今年のアカデミー賞授賞式でレッドカーペットを彩ったタキシード姿の俳優たち。ライアン・ゴズリング、ブラッドリー・クーパー、ロバート・ダウニー・Jr、マーク・ラファロ – 彼らにはある共通点があります。演技賞候補だっただけでなく、誰もが認める実力派俳優であるということ。しかし、それ以上に注目すべき点があります。なんと、彼らは皆、タキシードと襟付きドレスシャツは着ていたものの、ネクタイを締めていなかったのです。

ドウェイン・ジョンソン、サム・ロックウェル、クリス・ヘムズワース、ジョセフ・クインなど、プレゼンターや他の出席者たちも同様でした。蝶ネクタイはもちろん、通常のネクタイさえも見当たらなかったのです。どうやら、世界でも最も格式高い場所の一つと言われるアカデミー賞のレッドカーペットで、ネクタイという伝統的なメンズアクセサリーの存在が完全に消え去ってしまったようです。

しかし、ネクタイの未来は不透明です。一部の意見では、2024年は実はネクタイの年だと言われています。ビヨンセの影響もあってか、リボンタイが流行しているからです。意外な人物であるジュリア・フォックスはネクタイの着用を推奨しており、エルメスはネクタイを飛ぶように売っています。

しかし、ファッション業界はもう少し複雑なようです。最近のルイ・ヴィトン、ケンゾー、ポール・スミスはネクタイ付きのスーツを発表している一方で、ゼニアやディオールはネクタイを排除しています。さらに2022年には、G7サミットで各国首脳が全員ネクタイを締めていなかったことが話題になりました。

ライアン・ゴズリング胸元が開いたままでボタンを留めていないグッチのシャツ、ブラッドリー・クーパーの清潔感あふれるルイ・ヴィトンの白シャツ、ロバート・ダウニー・Jr.のラフな黒シャツに結んだボロタイ(ネクタイの代用品さえもためらい、結局はつけなかったかのよう)など、ハリウッドの俳優たちはネクタイを締めないスタイルでも、アカデミー賞という晴れ舞台にふさわしい、驚くほどのバリエーションと奥行きを見せてくれました。(ダウニー・Jr.は受賞スピーチで、「誰も褒めてくれなければ、スタイリストに感謝したいと思います」とユーモアを交えて語りました。ちなみに、彼のスタイリストはエリカ・クラウド氏です。)

「靴もシャツもなければ、お断り」ということわざがありますが、ネクタイに関しては話は別ようです。ネクタイがなくても、フォーマルかつ洗練された装いを完成させることはできるのです。これは、ハリウッドが伝統にとらわれず、新たなフォーマルスタイルを切り開いている証なのかもしれません。レッドカーペットの今後が注目されます。